アルゴリズムで建築を作るとどういういい事があるんだろうか?最近ではアルゴリズムを用いて数理的に建築を解こうとしてる代表的な建築家といえばセシル・バルモンドだろう。彼はアラップの人間なのでもともと建築を(構造的に)解くものとして捉えてると思うのだけれど、最近ではそれが構造を解くと同時に新しい表現を獲得している。例えばサーペンタインギャラリーなんかはその例である。構造的にはいくらでも他の解がありえたはずで、基本形が決まったとしてもそこから無数の亜種を生み出せる。 その中で実現案があの一つであるという事実は、与条件でデザインを最適化してゆくという従来のプロセスとは逆の、アルゴリズムで最適化された形態から好きなものを選ぶ、ということが行われているはずである。 実際、セシルの著書のインフォーマルの記述を参照してみても、かなり奔放にあの形態のアルゴリズムを生み出している事がわかる。
アルゴリズムとは問題を解決するための手法である。
実務的なレベルで、与条件に対するアルゴリズムをコンピューターで用いる恩恵はかなりあって、単純な作業の能率化やいままで解けなかった構造計算も可能になる。 それはそのまま、新しいカタチを生み出す手助けになる。 こういう地味なところで活躍してくれるのがアルゴリズムの力である。
伊東豊雄の台中オペラハウスを見ていておもしろいのが、それがゲント市文化フォーラムコンペ案の亜種であるというところである。基本的な形態は何も変わっておらず、サイトがゲントから台中に、建築面積が数倍になったのをうけてアメーバのように自己を変形させて自らをフィットさせようとしている。 生物が環境によって、さまざまに変異してゆくように。
一つの建築を作り上げる上でも恩恵は大きいが、この二つの変異をみていると建築のマスカスタマイゼーションのほうにもアルゴリズムの大きな可能性があるような気がする。
最後にもう一つ、空間体験という見地からアルゴリズムをみると、その一つのルールが作り出す空間の一体感がものすごく大事だと思う。実際にサーペンタインもオペラハウスも体験してないからなんとも言えないのですが、複雑ながらもスッキリとした空間が作れるということ。
建築は目立たずに、そこでの体験がするりと浮き上がってくるような空間を自分は目指しているのだけれども、それを生み出す為には、、、、1、建築を作らない。 2、建築のディテールを極力なくして、目が留まるところをなくす。 というのが今までだったと思うのだけれどそれを越えて 自分を囲む空間が一つの形態ルールでできていれば、あまり気にならないんじゃないかと思う。(それがどういうスケールで実現されるのかってのはまたとても重要な問題ですが。) 空間(壁や床、天井)のテクスチャー化? 継ぎ目がないということ? 体験の印象だけがどんどんピュアになってゆく気がする。
無数にある解の中で一つを選ぶ決め手は、肌触りだろうな。
(二つ以上のアルゴリズムを無理なく(フューズして)走らせたらどうなるやろう?
植物の葉っぱと茎と根のように。)
銀座・・・、
ちいらん行った??
投稿情報: k | 2007.01.26 08:04
まだやねん!
来週の歩行者天国の時にでも行ってくる。
マーボー
投稿情報: kozo | 2007.01.27 05:18