「詩ってのは一日一個読むもんやよな。」って高校の時、友達が言ってました。
なんとなくそれがずーっと心の中でひっかかってて、それ以来寝る前や勉強の合間にパラッと詩集の適当なページをめくって一篇拾い読みしてます。 好きな詩人は色々といますが最近は宮沢賢治がおもしろいなと思ってます。 彼は妹の事をよく書いてますがそれは本当に泣きたくなるような悲しい言葉であふれててあんまり好きではないです、読むとズズーンとくる。 それはそれですごいねんけども。
彼の理科的な文章が好きです。後ろの語の解説を見ないとわからないような専門用語や古い言葉が妙な空気感を作ってる。星のこととか、鉱物のこととか、無機質なものが彼の眼を通して暖かいものに変わってゆくような気がしてます。
諸君よ 紺いろの地平線が膨らみ高まるときに
諸君はその中に没することを欲するか
じつに諸君はその地平線に於る
あらゆる形の山岳でなければならぬ
新しい時代のコペルニクスよ
余りに重苦しい重力の法則から
この銀河系を解き放て
新たな時代のマルクスよ
これらの盲目な衝動から動く世界を
素晴らしく美しい構成に変へよ
新しい時代のダーヴヰンよ
更に東洋風静観のキャレンヂャーに載って
銀河系空間の外にも至り
透明に深く正しい地史と
増訂された生物学をわれらに示せ
ああ諸君はいま
この颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る
透明な風を感じないのか
(宮沢賢治 「生徒諸君に寄せる」 より抜粋)
卒制がんばろ
「生徒諸君に寄せる」 全文
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